ラ・クロシェットに舞い降りた女神様

3連休明けの出社は、通常の1.5倍かったるい。午前中はちょこっとだけ開発を進めて、午後からは基幹移行のユーザのところで打ち合わせ。会議室がとれなかったということで応接で打ち合わせすることになった。きっと豪華な椅子だろう、ラッキーと思ったら、応接だから机が低くて、椅子から遠いでやんの。おかげで打ち合わせ中、ずっと苦しい体勢でノートを取らされるはめに。


客先での打ち合わせ終了後、そのまま会場の最寄り駅である恵比寿へ。予定よりは時間が遅かったものの、幸い場所が近くだったため待ち合わせ時間には悠々と間に合った。駅でくすこを待つ間に、財布の中身を確かめようとかばんをごそごそするが、見つからない。あれれと思ったが、よくよく考えてみると昼飯も小銭入れだけですませたので、今日は一度も財布を出していない。そして昨日、別のかばんにつっこんだままであることを思い出した。というわけで手持ちが900円、僕が払うはずだったチケ代を当てにしていたくすこも手持ち2000円。金欠コンビが駅前で400円の傘を購入して、ますます貧乏になる。


徒歩10分ほどで会場のレストランに到着、入り口では先着何名かにかおりん直筆サイン入りCDが販売されていたらしいが、2人のパワーを併せてもCD一枚にすら及ばなかった。というか、中でなにか別料金を請求されたらアウト。わりとドキドキ。ほどなくして中に案内され、入り口で荷物を預ける。内装はちょいとこじゃれた感じで、ステージもよさげ。普段は縁のなさそうなちょっぴりハイソな雰囲気。席は一番後ろではあるが、広い会場ではないので距離は遠くない。机には本日のメニューが置いてあったが、前菜、メインディッシュ、デザートの3つのみ。腹は減っているのだが、これだけで足りるのだろうか。


7時になって、まずはディナータイム。かおりんは8時までお預けらしい。前菜のマグロは魚くさかった。メインディッシュのポークなんてろの小悪魔風は、どこが小悪魔かよくわからなかった。フランスパンはいつ、どうやって食べていいかわからなかった。デザートのショコラムースはオレンジが高級感を漂わせていた。お腹いっぱいになった。満足した。


そして8時になり、いよいよコンサート開始。まずはたいせーが出てきてMCをしたわけだが、変に気取らないところが素直に好感を持てる。きちんとポイントを抑えたナイスMC。というかきのこはすぐにリストラせよ。そしてわれわれの求めたかおりんは、ついに会場に舞い降りた。Yahooニュースを読んで知っていたが、胸元あらわなセクシードレス。ショートの生かおりんは美しすぎた。


かおりんヲタを自称しておきながら、かおりんソロアルバムは正直不勉強、勘弁。最初はオサブリオだったかな?正直、彼女の歌唱力を今まで舐めていた。娘メンの中では上位だとは思っていたが、こんなにも上手いとは思わなかった。生だということを差し引いても、すごすぎる。鳥肌が立った。途中、ステージを降りて(というほど離れてもいないんだけど)、客席を回りながら歌い始める。僕もかなり近寄ったが、くすこは半径20センチ内に超密着。後で聞いたら、緊張で固まっていたらしい。そして次々とアルバム曲や、大ファンだという松田聖子の曲など披露。やばい、やばすぎる。


そのうち、スペシャルゲストとしてルカさん登場。地中海レーベル仲間ということで、かろうじて名前に聞き覚えがある程度だったが、彼女も負けず劣らずとてもきれいな歌声だった。かおりんとデュエットとして「真夏の熱帯魚」を披露してくれた。ぎこちない振り付けが最高だった。かおりんのお着替えタイムを繋いでもらって、ルカさんはステージ裏へと帰っていった。


化粧直しを済ませたかおりん、今度の衣装はひらひらのレース付きドレス。スタイル抜群の彼女に良く似合う。自身の曲をいくつか披露したり、軽いトークを挟んだりした後、次なるゲスト登場。……なんでここで出てくるんですか?のなっち登場。会場は大盛り上がり。例の事件以来初めての目撃、かなり久しぶり。スレンダーなかおりんはきれいだけど、小ぶりななっちはとてもかわいかった。オーディションで隣の席だったというエピソードはファンの間では常識なんだろうか。僕は知らなかったので、とてもびっくりした。そして、デビュー前からの付き合いである2人がいかに仲が良いか、話を聞いていると伝わってきた。歌でもトークでも、二人が抜群に息の合っているところを披露して、名残を惜しみつつなっちもステージを去る。


楽しい時間は早く過ぎ去るもので、2時間ほどのショーはあっという間に終了。しかし、最後に一大イベントが残っている。かおりんとの握手および2ショットでのポラロイド撮影だ。このスペシャルイベントは、ショー開始前にすでに司会者から伝えられていたのだが、話を聞いた瞬間から緊張でドキドキもの。かおりんが出口で待ちうける形なため、テーブルが近い順に呼ばれていく。一番後ろの席だった我々は、呼ばれるのも一番最後。これで焦らされたため、緊張はますますピークへ。最後のテーブルの方どうぞ、と呼ばれて列に並び始めると、心臓がバクバク言うのはもちろん、膝も軽く笑い始めた。


いよいよ自分の番になり、仕切りの布をめくるとそこには彼女がいた。コンサート中とそんなに距離は違わないけれども、今、彼女の視線は、間違いなく自分だけを捉えている。一瞬頭の中が真っ白になり、さっきまで一生懸命考えていた台詞が飛びそうになったのを、必死でこらえた。微笑みながら手を差し伸べる彼女にすくみそうになりながら、手をとってその台詞を伝えたら、彼女は明るく笑ってくれた。そこからしばらくの時間は、記憶があいまいになっている。今手元にポラロイドがあることから、彼女と並んで写真を撮ったのは間違いなさそうだ。帰り道もなんかふわふわとしていて、これが「地に足が付かない」ってやつなのかなあーと思ったりした。


お金がなかったので、さくっと帰宅してさくっと寝た。寝床でもかおりんの笑顔が浮かんだ。