コピーワンス、ダビング10の問題点

発表から1週間以上過ぎて今更だけど、東芝HD DVD事業撤退報道、思ったより迅速な対応でびっくりした。すでに大勢は決していたし、これ以上あがいたところで誰も幸せになれない状況だったので、このタイミングでの決定は好感を覚えた。「すでに購入したユーザを切り捨てるのか!」という意見もあるが、製品保守を止めるわけじゃないし、それは自己責任だろうと……。


ただし、ここで忘れてはいけないのは、すでにHD DVDメディアにしか残っていない録画映像は、本体が壊れた時点で2度と見ることができなくなってしまうということ。なぜなら、コピーワンスのせいでブルーレイディスク(以下、BD)等別メディアへのコピーができないから。全部おじゃん。


今回は規格争いに敗北した結果なので、購入者の自己責任という側面もあるが、10年後ぐらいにBDが廃れた時、同じことが起きる。「次はダビング10あるから大丈夫でしょ?」というのは、ほとんど間違い(ちょこッと正解)。なぜなら、ダビング10のコピー元はハードディスクに限られ、メディアからメディアへのコピーは許可されないから。これはメディア上ではコピー回数のカウントができないことによる。つまり、BDにダビングして本体から削除した映像は、もうコピーできない。コピーワンスおよびダビング10が、いかに消費者を舐めきった規格であるか、おわかりだろうか。


そんなわけで、せっかく地デジのHD画質で制作・放送される番組も増える中、アナログ放送のほうが取り回しがいいという理由で、デジタル移行しない人も多い(主にアニオタw。かくいう自分も、併用している状況)。残念ながら、ダビング10はほぼ規定路線となってしまったので、すぐにはひっくり返らないだろう。だが、アナログ放送停波の2011年までには、もうワンチャンスぐらい時間があると思う。ここでなんとかしないと、放送業界のみならず、日本のコンテンツ産業自体が腐っちゃうよ?